テクノロジー

Imagryの地図レス自動運転ソリューションを支える技術

ハードウェアに依存しないAI搭載型の自動運転ソフトウェア企業としての当社の第一目標は、公道での乗用車およびバスの自動運転に必要なソフトウェアを開発することです。

自動運転向けの知覚・動作計画

Imagryは、一般的なカメラからの映像を利用してリアルタイムで自動運転車周囲の環境を知覚するソフトウェアスタックを開発しました。カメラからの映像はいくつかのディープニューラルネットワークで処理され、知覚マップとなります。それがImagryの第2のソフトウェアスタックに供給され、そこで動作計画の段階に移ります。Imagryではルールベースのアプローチではなく、ニューラルネットワークによるアプローチで動作計画を行っています。人間の行動を模倣することでネットワークに運転を学習させ、知覚マップが作られた近隣エリアを通行するための経路ソリューションを作り出します。

当社はソフトウェア企業ですが、路上でソフトウェアスタックの機能を発揮できるハードウェアも開発しました。当社のテスト用自動運転システムを乗用車に組み込み、イスラエルのハイファ中心部で運用しました。このエリアは、非常に運転しにくいことで知られています。過去4年間で、ハイファだけでなくカリフォルニア州サンホセ、アリゾナ州テンピ、ドイツのフランクフルト、日本の東京で、事故なく安全に自動運転を行ってきました。最近では、イスラエル政府が援助する、自動運転バスを公道に導入するプロジェクトで、当社の能力を発揮できるまたとない機会を与えられました。

AIに対し、特定の場所に限らず基本的に自動運転を行うよう教えるという当社のアプローチにより、当社のソフトウェアスタックでは、車両が初めて訪れる場所でも、スムーズに運転し始めることができます。人間が、初めて訪れた国でも飛行機を降りてすぐにレンタカーを借りて運転できるのと同じような行動ができるのです。

動作計画とニューラルネットワークの機能

人間が運転する際、身の回りを知覚し、その中を進んでいくために脳内でどれだけの演算が行われているかは、あまり理解されていません。知覚にはまず、道路の位置、車線、横断歩道、その他の路面標示をはじめとした車周辺の状況の把握が必要です。さらに、信号を発見してその色を特定し、道路脇の標識類を読み、他の車や歩行者の位置を認識してその動きを予測する必要があります。人間と同じように、この知覚データはカメラを中心とした視覚センサーのみによって作られます。

動作計画(またの名を経路計画)は、位置関係、動き(速度や加速状態も含む)、他の車や歩行者が進む方向といった要素を考慮して、周辺環境内を移動する経路を策定するアルゴリズムです。例えば交差点で、当社の動作計画ソフトウェアは直進、右折、左折の経路を作成します。これによって、駐車車両や工事現場など、道路上のその他の障害物と安全な距離を維持することができます。従来の自動運転ソフトウェアとは異なり、Imagryのアプローチはエンコーディングルールを必要せず、ニューラルネットワークにタスクの実行方法を教える形で行われます。

自動運転における問題は、世界は多様であり、考えられるあらゆる選択肢に対して専用のルールを設けることは非現実的だということです。ニューラルネットワークの魅力は、見たことがない、つまり経験したことがない状況にも対応できる能力です。人間と同じようにニューラルネットワークも、既知のソリューションの組み合わせをもとに新しいソリューションを生み出し、新たな状況に対応します。

単純さと汎用性の高さで、自動運転のベストプラクティスへ

この対応能力、つまり汎用性の高さは、自動運転車の開発に欠かせません。運転に伴うあらゆる課題の解決にニューラルネットワークを適用することで、自動運転車が新たな状況にも対応できるようにしています。これまで学習したことと少しでも状況が異なっていれば機能を停止してしまう、といったことはありません。この汎用性の高さは、自動運転業界におけるImagryのメリットのひとつです。

Imagryは、知覚と動作計画という大きなタスクを、それぞれを特定のニューラルネットワークが担当する小さなタスクにブレークダウンすることで、「大きなブラックボックス」ができないようにしています。動作に不具合があれば、問題のあるニューラルネットワークを突き止め、そのネットワークを強化します。それに対して、複数のタスクを扱う複雑なニューラルネットワークだと、「大きなブラックボックス」になり、問題の原因を特定することが困難になる場合があります。

自動運転車パイロットプログラムの成功

Imagryが現在進めている2つのパイロットプログラムは、自動運転車の開発者にとっても注目に値する存在でしょう。ひとつ目は、中東地域最大の医療センターであるイスラエルのシェバ医療センターで2023年2月に運行を開始したシャトルバスです。800ドゥナム(200エーカー)という、小さな村に匹敵する敷地面積を持つこの医療センターには、1日5万人を超える人々が、自家用車、タクシー、スクーター、公共バスなど、さまざまな交通機関で訪れます。

ふたつ目のプログラムは、公道を走る自動運転バスです。このバスは、イスラエルのナハリヤ市街で既存のバス路線と統合する予定です。当社の技術で、イスラエルだけでなく世界中で見られるバス運転手不足の問題を解決することが狙いです。

Next stop, full autonomy!

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