文:Ilan Shaviv, Ph.D. – Imagry 最高技術責任者(CTO)
自動運転の進化が加速する現在、その信頼性と性能を大きく左右するのが「監視あり学習」と「非監視学習」という2つのAI学習手法の選択です。Imagryでは、より安全で精度の高い運転を実現するために**監視あり学習(Supervised Learning)**を採用し、他社のアプローチとは一線を画しています。
監視あり学習と非監視学習の違い
最大の違いは、ラベル付けされた訓練データの有無にあります。
- 非監視学習では、人間ドライバーの走行データや周囲認識に基づき、パターンを自動で抽出する手法です。たとえばTeslaの手法では、クラウド経由で収集した走行データをもとに学習が行われています。しかし、この方法では、停止線での“ゆるい停止”や制限速度超過といった不完全な走行が学習されてしまうリスクがあります。
- 一方でImagryの監視あり学習は、熟練かつ法令遵守するドライバーの行動を再現するため、厳密にラベル付けされたデータを使用。2019年から米国・ドイツ・日本・イスラエルで収集された実走データを、社内独自のアノテーションツールと人的チェックにより精密にラベル付けし、それに基づいて複数のニューラルネットワークを訓練しています。
Imagryが採用する学習アーキテクチャの特長
一般的な非監視型自動運転では、すべてのタスクを1つの巨大なニューラルネットワークで処理する「モノリシック型」が多く採用されます。これは開発効率は高いものの、「中身が見えないブラックボックス」化しやすく、保守性・安全性に課題が残ります。
Imagryでは、認識(Perception)と動作計画(Motion Planning)を分離し、それぞれが独立した小規模なニューラルネットワーク群で構成されるモジュール型構造を採用。これにより、高い追跡性・保守性・拡張性を実現しています。
ラベリングの効率と精度の両立
Imagryでは、社内開発のツールによりアノテーション作業を一部自動化し、効率化を図っています。しかし、すべてのデータは人間の厳格なレビューを経てから学習に使用されるため、正確性と安全性を損なうことはありません。
